輸入車の中でもっともコンパクトで、価格も安いのがAセグメントのコンパクトカーです。

しかし、いくら安くて気軽に乗れると言っても、安全性が低かったら購入をためらってしまうでしょう。

ここでは輸入Aセグメントコンパクトカー3車種の予防安全装備や衝突安全性などを徹底比較しますので、購入時に参考にどうぞ。

輸入Aセグメントコンパクトカー3台の予防安全装備を比較

比較する車種は、以下の3台です。

ルノー・トゥインゴ　2,250,000円～2,540,000円

フィアット・パンダ　2,810,000円

フィアット・500　2,550,000円～3,240,000円

まずはじめに、各車の予防安全装備 (安全運転支援システム) を比較してみましょう。

機能 / 車名	トゥインゴ	パンダ	500
自動ブレーキ	×	〇	×
車線逸脱警報機能	〇	×	×

いまや、付いているのが当たり前になっている自動ブレーキ (衝突被害軽減ブレーキ)。

しかし、輸入Aセグメントコンパクトカーで自動ブレーキが装備されるのはパンダだけで、トゥインゴと500には設定がありません。

そのパンダの自動ブレーキも、作動速度域は約30km未満のときに限られ、歩行者の検知もできないなど性能的には不十分です。

自動ブレーキ以外の機能では、トゥインゴには約70km/h以上で作動する車線逸脱警報機能が装備されます。

しかし、あくまでも警報で車線逸脱をお知らせするのみで、車線内に戻るようステアリング操作を支援する機能は持っていません。

このように、輸入Aセグメントコンパクトカーの予防安全装備はいささか物足りないものとなっています。

ことに500は、予防安全装備が一切備わらない割り切った仕様です。

予防安全装備の評価 (5段階)

• パンダ　1.5
• トゥインゴ　1
• 500　0

エアバッグが一番充実しているのは500！

衝突事故が起きてしまった場合、乗員を守ってくれる安全装備がSRSエアバッグシステムです。

装備 / 車名	トゥインゴ	パンダ	500
デュアル&サイドエアバッグ	〇	〇	〇
カーテンエアバッグ	×	〇	〇
ニーエアバッグ	×	×	〇

正面衝突時に乗員の上半身を保護するSRSデュアルエアバッグと、側面衝突時に前席の乗員の上半身を保護するSRSサイドエアバッグは、3台とも全グレードに標準装備。

しかし、側面衝突時に乗員の頭部を保護するSRSカーテンエアバッグが装備されるのはパンダと500のフィアット車2台で、トゥインゴには装備されません。

また、正面衝突時にドライバーの足を保護するSRSニーエアバッグが装備されるのは、500のみです。

エアバッグが一番充実しているのは500で、パンダは及第点、トゥインゴは不合格という評価になります。

エアバッグの評価 (5段階)

• 500　5
• パンダ　4
• トゥインゴ　3

欧州の自動車安全テスト結果はトゥインゴがベスト

安全性評価の基準になるのが、欧州の自動車安全テスト「ユーロエヌキャップ」です。

ユーロエヌキャップは成人乗員保護 / 子供乗員保護 / 歩行者保護 / 安全支援機能の4つのテスト項目からなり、総合的評価は5段階の星で表されます。

各車のテスト結果の詳細 (得点) は、以下のとおりです。

項目 / 車名	トゥインゴ	パンダ	500
成人乗員保護	78	45	66
小児乗員保護	81	16	49
歩行者保護	68	47	53
安全支援機能	56	7	27
総合評価 (5段階)	☆☆☆☆	☆なし	☆☆☆

すべての項目でもっともポイントが高いのがトゥインゴです。

それでも総合評価は5段階の4つ星で、最高評価は得ていません。

500とパンダはかなり得点が低く、ことパンダは総合評価で星なしの論外レベルです。

ユーロエヌキャップの評価 (5段階)

• トゥインゴ　4
• 500　3
• パンダ　0

輸入Aセグメント車で安全性に満足できる車種はない

ここまで、輸入Aセグメントコンパクトカー4台の安全性を3つの観点から検証してきました。

3項目の得点の合計は、以下のとおりです。

安全性の総合評価 (15点満点)

• トゥインゴ　8
• 500　8
• パンダ　5.5

1項目の平均点が3点を超えた車種はひとつもなく、残念ながらどれも安全性の点ではおすすめできません。

ユーロエヌキャップの評価が4台中もっとも高かったトゥインゴも、自動ブレーキやカーテンエアバッグが付かない欠点があります。

500は予防安全装備がまったく備わらず、パンダはユーロエヌキャップの評価が最悪です。

安全性を重視するなら国産コンパクトカーから選ぶか、輸入車なら一クラス上のBセグメントコンパクトカーから選ぶことをおすすめします。

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